案の定。永倉は原田と一緒に舞妓さんに腹踊りを見せびらかせていた。



ムッとする遥に、前に座ってる山崎が噴き出して笑った。



「……ι」




遥はもっとムッとして藤堂の頭を小突いた。



「なんで??」




困ったような仕草をする藤堂に、遥は完全無視で、芹沢に目を移した。




フラフラになりながらおぼつかない足取りで「帰る」と一言言うと、芹沢派の平間達が芹沢に続いて帰っていった。




「……瓦、行ってきます」


沖田が何ともないように立ち上がると、土方も無言に、原田、そして山南がパラパラと帰ってしまった。



近藤は遥から見ると、とても辛そうに見えた。



永倉がグッと酔いが覚めたように唇を噛み締めて近藤と向き合っていた。



芹沢は今から暗殺されるのだ。



会津藩からの命令で、浪士組の局長を暗殺するなんて、隊士達にすれば考えたくないことだった。




その夜、狭い部屋で芹沢は土方、沖田らの手によって暗殺された。