忍には気付かなかった遥だが、さっき原田にされた事を思いだして顔が真っ赤になった。
「…原田さん」
「ん?」
さっき、あたし抱き締められたよね?
あの緑の着物の中にいたんだ………
遥の顔がボッと熱くなって遥は下を向いた。
その頃、永倉は沖田、藤堂と町の巡回をしていた。
「佐之助さんにバレたら綾野さん、どうなるでしょうね」
沖田の発言に、永倉はそうなればどうなるか頭の中で浮かべてみた。
「…………」
永倉の頭の中に、あんなことやこんなことがぐるぐる流れる。
「あんなことやこんなことになるでしょうね」
悪気もなく藤堂は笑顔で言って、永倉は藤堂をギロリと睨むと、沖田は袖で口元をかくして笑った

