「すごい……」
近藤が涙目になって原田と新八の後ろ姿を追いかけていた。
「かっちゃんもなるんだよ。あんな風に」
土方が近藤の肩を揺さぶる。
「俺に人を斬ることができるだろうか」
「できる」
土方は近藤を真っ直ぐ見据えていた。
遥は、手に刀のないことにもどかしささえ感じていたのに
時がたつのは怖いものだ。
気弱な近藤さえも強くなってしまうんだから。
「かっちゃん」
「お、おみっちゃん」
笑顔で現れた謎の女の人
遥は目を疑った。
近藤と言う人が、深雪太夫を愛人に、江戸には妻のおつねさんがいると聞いてたのに
おみつと呼ばれる彼女がいたのか?!
遥は、ガクンと頭を落としてしくしくなきいった。
「男って………」
「がはははっ!何々?あたし抜きで団子なんて食べちゃってさ!
駄目じゃないの。面白いことになってるし!あのお二人は旅の人?
それにこちらのお嬢さんたちも」
落胆してた遥は耳を疑った。
なんて豪快な女の人なんだ。