意味がわからない遥は頭に疑問符を浮かべて新八と遙を見比べた。
(いったい何?)
しばらくして団子が届いても新八が食べる気配はなかった。
近藤土方遙がクスクス笑ってる
「その団子いらねーの?なら貰うぜ」
パクっと団子を口の中に滑りこませたのは、原田だ
まだ出会う前の原田。
「さの……」
新八が思わず声を出そうとして遥が手で新八の口を押さえた。
「俺は旅のもの。原田佐之助だ」
「あなたもですか!こちらの永倉新八さんも旅人何ですよ。
いやぁ、嬉しいなぁ」
近藤がまたのんきに笑ってる
「そうなんかっ!変な服やけど顔は確かに勇ましいなぁ」
あっはっはっ、と笑う原田はずっと変わらない。
「きゃ――!」
店の中から悲鳴が聞こえて、遥が構えの姿勢をとった。
だけど刀はない。
(こんな時にっ!)
それは新八も同じで、遥は近藤から刀を引っこ抜くと新八に渡した。
近藤なんからしくもなくへっぴり腰だったから。
「新八さんっ」
「ありがとう!」
新八と原田は目配りして店の中に入っていった。