時のなかの赤い糸



「疲れた」



そりゃそうだ。遥だって初めて幕末にいった時はすごい疲れて爆睡だったもん。



「お疲れ様でした」



よしよし、と新八の頭を撫でる遥、新八の香り、新八と一緒にいる



それだけで奇跡だった。




遙の中に魂が入らなくてもいい。
新八がそばにいてくれたらそれでいい。



遥の気持ちに気付いたのか、新八がムクッと起き上がって遥をギュッと抱き締めた。



「寂しかったか?」



コクッと遥が頷く。



新八の体温が直に感じて溶けそうになる。



「もっともっと抱き締めて下さい……」


何恥ずかしいこと言ってるんだろうって遥が全身を赤らめた。



耳元で、新八がクスッと笑うのが聞こえて、余計に頭の中が沸騰する。



「いいよ、もっともっと抱き締めてやるよ」