「でも肝心なのは、永倉さんの心がどこにあるか。だよね」



遥は腕組みをして考える。いくら考えたって心当たりがないのだからこの話は迷宮入りなのだが。



だいたいどうして遙の体に入って来なかったのか……



「ところでどうしてさっき怒ってたんですか?」



遥は怒って社会資料室に入って来た遙の姿を思い出した。



永倉新八そっくりな目付き。
あの時の胸の振動に遥は酔いしれていた。



「あぁ、あいつ俺の指輪盗みやがってさ?社会の先生に見せるとか言って?」


「どうして指輪を……?」



困ったようにため息をはいた遙に、遥は「そうなんだ」と耳を向けた。



「なんか、あの指輪にはストーンが埋められていて、なんか書いてるようにも見えるんだけど

俺が読める訳もなし。んで勝手に盗んだあいつが社会の先生に見せて読んでもらおうとしたんだ」