「永倉さんっ」




急に訪れた別れの不安が遥を永倉は、ギュッと手を握りしめた。




近藤さん。土方さん。沖田さん。藤堂さん。原田さん。山南さん。山崎さん。小十郎くん。



皆の笑顔が遥の心の中に、目の中に写り出されて遥に笑いかけていった。




「もう、思いおこすことはありません。

未来で、会いましょう!」




一番近くにいつもいた永倉の笑顔。




胸に焼き付け遥、新撰組隊士たちは、走り出した。




幕府のために。













刀が混じりあう。
血の匂いが辺り一面に広がって、同志たちが次々と斬り倒されていく。





「………っ」




遥の体が少しずつ消えていく。



閉じ込めていた涙が溢れるように地へと落ちていった。