「俺さぁ」



原田が酔いながら言うので、遥も山崎もなんとなく耳を向けていた。



「綾野が好きだ!」



「………………………………………え?」




遥は思わず声をひっくり返してしまって、山崎はわかっていたように普段の表情だった。




「新八さんがおるからとらないがな」



笑いを含めてため息をはいた原田に、遥は笑って


「ありがとうございます」



と、礼を言った。




「山崎さんは知ってたんですか?」



まだ少ししか飲めない酒をちょっとずつ口の中に含めながら遥が聞いた。




「まぁ?」




また曖昧な事を言う山崎に、前に自分の事をほとんど知っていた山崎を思い出した。



「山崎さんって本当ずるい」


「え?」