「助けてくれたのか?」
近藤がまだ覚めぬ頭で声をだすと、武士はなんとも言わない表情で近藤と土方を見下ろした。
「縄を……」
武士は近藤と土方の後ろに回ると、縄を離した。
「俺は永倉新八」
のちの新撰組二番組長です。
「武士なんですね!」
「まぁ…」
近藤は目をキラキラさせて立ち上がると、近藤にもたれていた土方が地面に頭をぶつけた。
場所は町の酒屋。
永倉の武士の話しを興味津々に近藤と土方と知らない男が酒を飲みながら聞いていた。
「ずっと気になってたんだけど、お前誰?」
ベロベロによった土方が、男に聞くと、男はニコニコ笑ってにやけだした。