時のなかの赤い糸



「ごめんなさい」


「いや、よく頑張ってくれたよ」




山水に濡らして冷たくなった布を遥の靴擦れした足に優しく土方があててくれて、



藤堂も永倉も山水で顔を濡らしていた。



「気持ちいな!」

「そうだな!ていうか、本当懐かしいよ」




永倉からすればこの山も3年ぶりである。



「遥、強いよ」


藤堂が遠くを見つめながら言って、永倉はその様子を見た。



「3年も、新八さんのこと待ち続けて。一回も泣かなかったんだ」



永倉が、遠い遥との思い出を思い出した。



「そっか、綾野はずっと泣き虫だったのに」



「ははっ」




藤堂はまた顔を冷たい山水に濡らした。



「見てて辛かった」



辛そうな藤堂の声。
遥の気持ちのように永倉には聞こえた。