そうしてただ何事もなく日があけるのを待っていたその時だった。




空がうっすら夜の暗さを抜けた時、一揆を起こした民衆が、遥たちのいる二条城の門に攻めてきたのだ。




「おきろっ」



土方がとっさに動いて隊士たちが一斉に慌ただしく動き出す。




そして刀を構えると一斉に飛び出した。



ところが、飛び出したはいいのだが、寝起きの隊士とやる気ありすぎる一揆では比べ物にもならなかった。




「おりゃあぁあぁ!!」




1人の農民を相手していた遥が相手を気絶させようとすると、後ろから急に攻められた。




「……っ!?」




やられると身を決めた時、攻めてきた農民がその場にドサッと倒れた。




あの日の光景が――――――

よみがえった。




刀を梢に直してニヤリと笑う彼は、




間違いなく





―――――――――永倉新八。




だった。