城を守るように全ての入り口を新撰組の隊士が張り込んでいた。
「まだ夜は寒いな…」
土方が自分の肩をさすって苦笑いを浮かべた
「そですね―…寒い」
遥も身を縮めると手のひらに息をはいた。
生温い温気が手のひらにかかって、夜の外気に白い湯気がきりたった。
幕府の終わりが近付くごとにあの人に会いたいと思う気持ちが遥の中で大きくなっていった。
その頃、下級武士を中心に、外国人を打ち払えと言う攘夷論が高まり、大老井伊直弼は、これを厳しく取り締まりました。
幕府は、それに怒り、今回の新撰組に仕事を言い渡した訳であった。