永倉が自分の前からいなくなって、もう3年の月日が流れた。




遥の頭の上には、また桜の木が桜を散らしていて、綺麗だ。




16歳だった遥も19歳になって、すっかり新撰組の2番隊隊長を務めきっていた。




ホントのとこいえば、こうして和んではいられない。




「綾野隊長!」




呼ばれて振り向くと隊士が焦った様子で遥のもとにやってきた。



「局長が、今すぐ出隊する準備をだそうです!」



「……うん。ありがとう」




遥は急ぎ足で屯所に戻った。




もう、江戸幕府は終わりだ。
長州の勢力が京都をもう攻めきろうとしていた。




最後に残るのは、徳川の城だけとなったと言っても過言ではないのだろうか?




もう今日、出発すれば屯所に戻ってくることも当分はないかもしれない。




そんな思いを閉じ込めながら遥が率いる隊と、藤堂が率いる隊。そして土方が同じチームを作って城付近を守っていた。