時のなかの赤い糸



「ちょっとまちいな。綾野はん」



ニッコリ笑った山崎を恐る恐る遥が見上げると、グイッと手を引っ張られて屯所を抜け出した。




「まぁええやんか」


「………そうですね!」




山崎と話すのも悪くないと笑顔になった山崎はそんな遥を見て安心した。




「どこ行く?」


「え?!…決めて下さいよ」



山崎がどこに行こうか考えていると遥の声が聞こえた。



「あっ!団子食べたいです!!」



ニコニコ笑っている遥に、(どっちやねん)と小さく突っ込みをいれた山崎だが、団子屋に入っていた。



「山崎さんって新撰組の中で一番情報持ってますよね」



外に出してある赤い布がひかれた長椅子に座った山崎と遥の膝の上には団子があった。