時のなかの赤い糸



「あんたたちも、遥ちゃんのこと頼んだわよ!」




蓮華は外にいた男たちに笑いかけて、縁側に出た。



「もう帰るんですか?」



「うん、お父さんが心配だしね」




蓮華が歩きだして、遥も後を追うように屯所の門に向かった。




門には土方や山崎の姿。
それにあの男群衆たちも…




柊は蓮華ときっちり手を繋いで遥に手を振った。




「また、来てくださいね」


「うん!遥ちゃん元気でいなよ」


「バイバ―イ遥姉ちゃん」




屯所を出ていった二人の様子を最後まで見送った遥は、山崎の視線に気がついた。




(そういえば……)




昨日勝手に柊に変な約束をされたのを思い出して、ゆっくり視線に気付かないように稽古場のほうに遥は足を向けた。