「お兄ちゃんは?」
「山――――」
「1人できたの?」
「違うよ。お姉ちゃんと来た。
なんか着物欲しいんだって」
遥と柊は食堂でご飯を食べながら話していた。
その話の内容は、皆が密かに聞いていた。
「そうなんだぁ。
でもお姉さんはどうしたの?」
「え?お姉ちゃん迷子になっちゃったの」
柊が自信ありげに言って、周りの皆はひたすら笑いを堪えた。
(柊君が迷子だろ……ι)
遥が思うに、お姉ちゃんというのは前に、遥が未来にタイムスリップした時に、幕末にまた来た時に永倉に抱き着いていたあの女の人だとすぐにわかった。
「ふふ…じゃあ明日探しにいこっか」
「うん!!」
柊はお米にがっついてご飯をもくもくと食べていった。

