時のなかの赤い糸



「…遥――――っ!!」

「Σええぇぇえぇ!?」




急にガサッと永倉が遥に飛び付いたと思ったが、違う。




永倉はこんなに子供じゃない。




遥なんかよりうんと小さな幼い子供、それでも顔は永倉そっくりで、いつまでも遥の足にしがみついていた。




「「「「ΣΣΣ出たあぁあぁぁぁあぁ!!!!」」」」




屯所に男の悲鳴が響き、男の子はベッと舌を出すと土方たちに向けた。




遥はと言うと、しゃがんで男の子と視界を合わせた。




「どうしてあたしの名前、知ってるの?」


「新八にいが言ってた。
お姉ちゃんが遥なんだね」



遥がニッコリ笑って頷くと男の子は満面の笑みを浮かべた。




「俺は新八にいの弟の柊。よろしくな」




柊の大きな態度に土方藤堂山崎は口をポカンと開けて、唖然とした。