永倉が去った後、2番隊隊長は綾野遥に任された。



屯所の回りでは、花の2番隊と呼ばれて、男衆からの人気が少しばかり出てきたころ、



当の本人である遥は屯所の外にいた。




永倉と初めて出会った桜の木の下、
あの時は「デブ」とか言われてムカついていた遥だが、




きっとその時から永倉のことが好きだった




そう遥は思い、少しの間目を閉じて今までのことを思い出していた。




いつも自分を守ってくれていた永倉。

思いが通じあったあの夜は幸せで死んでしまいそうなくらい嬉しかった。




いろんな事があったけど、自分には永倉ではないとダメだった。




そう確信して目を開くと、背後の気配に刀を掴んだ。