「大丈夫だから」



小十郎が意味深なことを言った時、外から声が聞こえた。




「新撰組だぁ!
刀をとれ!!」



“新撰組”!?遥はすぐに立ち上がって歩き出そうとすると、しょうじの向こう側から赤い血がブワッとしょうじに付着した。



「っ!」



遥も腰の刀に手をかけようとすると、ぐいっと小十郎に引き寄せられて、喉に刀を突きつけられた。



「……ごめん」



冷たい声が遥の頭のなかによぎる。




しょうじがガタンと開いて、“新撰組”


永倉と、土方、沖田、山崎が現れた。




「……おぅおぅ、ほんとに王子の登場かいな……」



西郷の声が聞こえて、後ろからゆっくり歩いてくる足音だけが響いた。




「綾野っ」



遥を呼ぶ土方に、ボロッと涙が頬を伝った。



「それ以上動くな!
さもないと………斬る」



その言葉に、永倉土方沖田はピタリと止まった。