「……そっか…なら……」
嫌われてしまうくらいなら、自分の手でむちゃくちゃにしてしまいたい。
小十郎は喉まで出掛けた言葉をぐっと堪えるかわりに遥に笑ってみせた。
「……どうして…」
「島津さんの命令だよ。
未来人を連れて来て、僕の瞬歩で未来に行き、未来からこの世をかえようとしているんだ」
長州の計画を聞いて、遥はブルッと震えた。
そんなことをすれば、遥達の世界まで変わってしまう。
これは絶対に食い止めなければならないことだった。
(だけど…どうすればいい……?)
泣き出しそうになる目頭を必死に抑えて遥は小さな嗚咽を漏らした。
小さな少女の背中には、未来を背負うには小さすぎたのかもしれない。