「あたしもまだ信じられなくて…」



きっと信じてくれるはずないよね…………




遥は下を向いていると、一番奥に座ったひとが優しく声をかけてくれた。




「ということは、
住む場所はないってことだね」



「?はい」



「なら、ここに住めばいいよ」




遥が顔をあげると、もう1人の人が焦った表情で言った本人を見ていた。




「いいんですか?!」



「ええ。遅れましたね。
私は壬生浪士組局長の近藤勇」




(近藤勇!!
この人があの…)




ずっと歴史上の人物を見てきたせいか、だんだん慣れてきた遥だった。




「ほら、歳も言いな」




近藤にそそのかされて、もう1人も口を開いた。



「副長の土方歳三」



土方歳三―――…
さっきからすごいな…




遥は皆の方を向くと、立ち上がって頭を下げた。



「あたし、やっぱり
ここでは住めません」