時のなかの赤い糸



広い広間に畳がぎっしりひかれ、小十郎は少し息を荒らして畳に寝転んだ。



「まだ瞬歩はなれね―――ι」


「小十郎くん、どうゆうこと?」




遥は畳に座り込んでいて、なぜか体がびくとも動かなかった。




「ごめん、綾野。
俺長州のもんなんだ。騙してたわけじゃないんだよ?」



「騙してんじゃんっ」




遥はなんとか体は動かないが、話せるので小十郎に話せるだけ話した。




「……綾野のそばにいたかったんだよ」




小十郎はきゅうに遥の前に座ると手を握った。




「体、動かないの辛い?」



遥は首を左右にふった。




「強がり」




なんだか小十郎が別人みたいで遥は少し身を縮めると、小十郎の手が遥の頬に触れて顔を近付けた。



「……っ?!」