遥と小十郎が夜食をしに食堂に向かった。
「小十郎さん」
廊下を並んで歩くなか、曲がり角を曲がったところで沖田が小十郎に刀を突き付けた。
「門者…だそうですね」
沖田自体、小十郎に刀を向けるなど、一番避けて通りたかった。
そんなこと、考えもしなかった。
あんなに楽しそうに笑っていた遥の表情は固かった。
「沖田さん……?」
遥が首を傾げると、不意に腕を引っ張られ、遥の体が宙にういた。
「はい?てか、え!!?」
小十郎に抱き上げられ、そのまま屯所を抜け出した。
「待てっ」
途中までずっと沖田や土方まで追いかけてくれたのだが、小十郎は瞬歩ができるのか、
あっと言う間に知らない広間にいた。