時のなかの赤い糸



「もうその話しやめねぇか?」



永倉がため息まじりに言うと、みんなが笑った。



「だけど新八、よくたえたよなぁ?
俺なんか3日でとっかえひっかえ」



原田が言うと、山崎が原田の口をふさいだ。



「新八――――」




ガバッとピンクのものが永倉にのしかかった。



それは女で、永倉に後ろから抱きつくような、遥は目を見開いた。




「お前まだいたのかよ、とっとと帰れ」



永倉が冷たい言葉を放つと、女は舌をべっと出して永倉から離れた。



「たまには顔出しにおいでよ」



そう彼女は言うと、屯所の門をくぐっていった。




(誰…?)




遥が不安な表情になると、永倉以外の男たちはそそくさとどこかに行ってしまった。