私は、奏多くんに気付かれないように、芝生の客席用ベンチの最後尾に座る。 奏多くんが、メンバーと共にグランドに入ってくる。 「……奏多くん」 何ヶ月ぶりに見た奏多くんの姿は、いつもと変わらなくて…… ─────安心する 良かった…… 元気そうで、良かった ───────────── 試合が始まると、すぐに奏多くんにパスが回る。