「弟かぁ……」 ボソッと言った俺の言葉を打ち消すかのように、後ろから強く背中を叩かれる。 「………っ、いって!」 振り返ると、缶コーヒーを片手に持った監督の姿があった。 「何が弟かぁ……だよ! ほら、元気だせっ!」 そう笑いながら、手に持っているもう一つの缶コーヒーを渡される。 「………ありがとうございます」 「………で、そんな追い詰めた顔してどうしたんだよ。 ……恋────」 「………っ、ゲホゲホっ!」