「………雪乃さんが居るからなんでしょ?!」 水無瀬が堪えきれなくなったかのような声を上げる。 「えっ?………っ、どうして、雪乃さんが出てくるんだよ!」 ──────雪乃さん…… その名前を聞くだけで俺は動揺していた。 「だって……今日の奏多……背伸びしてるじゃない」 「……背伸び?」 「上手く言えないけど…… 焦ってるみたいな、空回りしてるみたいな…… そんな所が奏多らしくない!って言ってるの!!」 水無瀬は今度は声を張り上げて、俺に訴えかけてくる。