私は、奏多くんをはっきりと見つめてから…… 「……ごめんなさい 奏多くん…… もう、試合は見に行けない」 「えっ……どうして……」 奏多くんは悲しそうな顔を更に深めていく…… そんな顔しないで───── 気持ちとは裏腹に口からは嘘がスラスラと出てきた 「ごめんね、実はさ…… 彼氏に試合行ったことバレちゃって……」 「えっ……雪乃さん、彼氏いたんすか?!」 奏多くんからは、悲しみと驚きが入り交じっているのが伝わってくる……