家に帰って、自室のベッドに寝っ転がる。
「……」
しばらく身体を休めていると、ふと携帯のことを思い出した。
……そうだ、悠真くんの連絡先を登録しないと。
紙を取り出したものの、連絡先の追加の方法が分からないので、リビングにいるお母さんのところに向かった。
「あら、お菓子でも食べたいの?」
「ううん、そうじゃなくて……」
お母さんに説明したら、丁寧に教えてくれて、やがてスマホに悠真くんの連絡先が追加された。
「良かったね、日和。
今度、家に来て欲しいわ。頑張って悠真くんをゲットするのよ!』
「いやいや、そんなの無理に決まってる!!」
悠真くんが好きとはっきりと言ってはないものの、お母さんはきっと気づいてる。
はっきり言うのも恥ずかしいけど、否定する言葉は言わなかった。
でも、本当に無理だよ。
私は耳が聞こえないんだから……。
部屋に着いて、私は早速悠真くんにメールを送ろうとスマホを立ち上げる。



