そう思ったものの、思った以上に響いてしまったのか、いつもより集中できなかった。
夏期講習についていけなかったらどうしようと思ったが、復習だから安心したものの、終始上の空だった。
夏期講習が終わってぼーっとしていたら肩に手が触れる感触がして、顔をハッとすると、ふたりは心配そうな表情をしていた。
「……あ、ごめん」
流れで私のことを何度も呼んでくれたと察する。すごく申し訳ない。
「ねえねえ、日和って肩に触れないと反応しない理由とかあるの?」
百香ちゃんはもしかしたら勘付いているのかもしれない。
耳は聞こえないことまではバレてないと思うけど、違和感はやはり感じているのだろう。



