というか、悠真くんがとても意識してないように見えてくるんだけど……。
とてもあの時キスしそうになった関係だとは言えない。
もしかして、あれは本当に私の勘違いに過ぎなかったのかな……。
だけど悠真くんの容貌を再度見て、私は思い出す。
第一印象は"チャラそう"だということ。
私の名前も簡単に呼ぶことができた。
女の子とよく一緒にいるのを見かけるし、女の子に慣れてるということなら
私の予想通りなら、
悠真くんにとってはあの時の行為は"当たり前"のことなのかもしれない。
「……」
想像以上にショックを受けてる自分がいて、誰の言葉も読み取る気力がなかった。
「大丈夫?」
「平気だよ」
指で軽く肩を突きながら、ふたりに見えないように『大丈夫?』と小さく手話もしたから、悠真くんの言葉が理解できた。
いけない、しっかりしなきゃ。



