しかしいくらもがいても、ガッチリ掴まれているので、観念して彼から放されるのを待つ。
そうしてしばらく、彼は何かを見つけたかのように目を見開く。
「ねえ、天津さん」
彼は私のバッグをまじまじと見つめる。
あれ、私の名字知ってたんだ……じゃなくて!
もしかして、秘密がバレた……?
顔がどんどん蒼白になっていくのがわかる。
「変なストラップを付けてるんだね。
耳マークって……人体好きなの?」
これは不幸中の幸いなのだろうか。
とんだ勘違いをされたが、バレないなら都合がいい。
今が暗い時間帯で良かった。
そう、この変なストラップにこそ私の秘密が隠されている。
秘密ならつけなくてもいいんじゃないか、って思うかもしれないけどつけなくちゃいけない理由がありまして……。
いつもはカバンのポケットに隠してぶら下げているが、走ったから風で露わになりぶら下がってしまったのだろう。



