しばらくしたら何か箱を持ってこちらへやって来た。
「これ何?」
「こないだ友達とお祭り行ったじゃない?」
「え、うん……?」
確かに悠真くんとお祭り行ったけど……。
それがどうかしたのかな。
「これ使いなさい」
お母さんは手にした箱からあるものを取り出して、私に差し出した。
え、これってまさか……
「え、私使ってもいいの……?」
スマートフォンだった。
白色のとてもシンプルなものだけど、私にはとっても可愛く見えて、大事にしようって思った。
私の問いにお母さんが何を言っていたのか分からないけど、使ってもいいよという意味なのはなんとなく伝わった。
「じゃあ、行ってきます!」
「行ってらっしゃい!」
新しいスマホを手にして、歩き慣れた通学路を歩き始めた。