私は椅子に腰掛けて、テレビをなんとなくつける。
今の時間帯はどこもニュースの時間のようで、
右上に『熱中症に注意』というテロップが飾られてた。
私は机にあったパンを食べ終えて、大きく深呼吸……というより吸って大きなため息を吐く。
そろそろ学校行かなきゃ。
荷物を持って、洗面所の前に立ってささっと前髪を整えたり、寝癖をチェックしたり……。
今までそんなの気にしなかったのに、悠真くんを好きだと自覚してから、可愛く思われたいと思うようになった。
……まさか、恋をするとは思わなかった。
でも、不思議。
学校に行くのがとっても楽しみ。
「日和行くの? ちょっと待ってて!」
玄関に向かおうとする私をお母さんが制止して、どこかに行ってしまう。