「……」
が、いくら待ってもその時は来なくて。
目を開くと悠真くんが慌てて距離を取っていた。
その姿を見て、ハッとした私は自分でも分かるほど、顔を真っ赤にしてしまった。
え、待って……。
今、私たち……間違ってなければ、その……キス、しようとしてた?
「……っ」
私、ファーストキスだったかもしれなかったんだ。
キスをしなくて安心した自分と
キスをしなくて複雑な気持ちになる自分がいた。
え、待って、なんで……?
どうしてキスしなかったことにショックを受けてるの……?
自分のことなのに、自分のことが分からなくなる。
私、キスを受け入れようとしてた……?