あ、花火……始まったんだ。
夜空にたくさんの花が咲き誇る。
久しぶりに花火を見た。
こんなにも綺麗だったなら、前から見るべきだった。
「綺麗……」
私は思わずその言葉を呟いた。
ハートの形をした花火。
UFOの形をした花火。
とにかく大きい花火。
花びらのように散っていく花火。
たくさんの種類の花火を見た時にはもう、クライマックスにさしかかっていた。
連発で夜空に向かって放つ花火たち。
「「……!」」
私は悠真くんをチラッと見ると、目が合ってしまった。
──いつもならお互い逸らすのに。
なぜ、目が離せないんだろう。
なぜ、悠真くんは真剣な目をしているんだろう。



