「じゃあさ、これ良ければ貰って欲しいんだ』
「えっと……?」
渡されたのは小さな紙。
折りたたまれてたので、開いてみると、そこには11桁の数字とメールアドレスらしきもの。
これってもしかして悠真くんの携帯番号とメールアドレス……?
『私持ってないよ?』
『電話番号はいらないかもしれないけど、もし必要になった時はこれで俺に掛けてほしい』
携帯は要らないって思ってたけど……。
お母さんに頼んでみようかな。
電話は出来ないけど、メールだけならいいかもしれない。
『ありがとう。何かあったら連絡してみるね』
悠真くんは連絡の手話が分からず、私の動作を真似して首を傾げる。
指文字で"れんらく"と伝えたら、悠真くんは「なるほど」と言った。
と、突然夜空が明るくなった。



