「ねえねえ悠真くん」



私は悠真くんの浴衣の袖を少しだけ掴んだ。


悠真くんは目を細めながら私を見下ろして、メモ帳に書いてある文章を読んでいく。


そして、私のペンを取って新たに書き込んだ。



『今日はあまり筆談出来ないから、もし読み取れない時があったら手話でお願いします。
今日とっても楽しみにしてたから、たっくさん楽しもうね!!! 日和』



『わかった。全力で楽しもうな!! 悠真』



悠真くんの返事に私は頰を緩まずにはいられなかった。


よし、今日は楽しもう!



「じゃあ日和早速食べようぜ!」



そうだ、屋台といえば食べ物……!



「うん、行く!」



それからのこと、私たちは食べ物を食い漁っていた。


焼きそば、りんご飴、わたあめ、かき氷。



どれを食べる時でも私は心から楽しめていた。