左右には悠真くんの腕。


正面には悠真くんの顔。


まるで抱きしめられているかのような体制。


私はどこに目線を向けていいのか分からず、俯くしかなかった。



そして私は考え事をする。



この一連の行動……。


私たち友達の関係、ではなくカップルに見えちゃうんじゃないの?


いや、私は大丈夫だけど悠真くんにとってはアレなんじゃないか……って。



私、何考えてるの?


私なんで大丈夫とか思ってるの?



私は、ただひとりぼっちだから気にしなくてもいいけど、という意味あって……うん、そうだ。



前にも悠真くんには気にするな、と言われたけど。



悠真くんは人気者だ。


百香ちゃんが『悠真はモテるから大変よ』と呆れながら言ってたっけ。


そんな悠真くんの恋愛事情を周りが放っておくわけない。



悠真くんが気にしなくても、私が気にしてしまう。




決して、悠真くんが彼氏だったら嬉しい。


なんてことは考えてないんだから。



私達は目が合うと、すぐにお互い逸らしたのだった。