……悠真くんが彼氏だったら、どんな感じなんだろう。
手を繋いだり、抱きしめたり、キ……ああ!!
何てこと想像してるの!
悠真くんは友達だし、ただ優しいだけだよ。
それはみんなに対してだと思うし、私だけ特別ってわけじゃないと思う。
もし私だけ特別だとしても、私は耳が聞こえないから。きっとそのことに気を遣っているだけだ。
そもそも悠真くんみたいな神様みたいな人が彼氏だなんて考えることすらおこがましいよ……。
……でも、悠真くんが彼氏だったら、彼女はきっと幸せなんだろうな。
悶々としている私を微笑ましく見つめていたお母さんのことに気づけず、家に出る時間まで迫ってきた。
「もう行くのね。行ってらっしゃい」
「行ってきます!」
……悠真くんに会える。
早く会いたいな。