花火大会にはちょっとした屋台があると聞いた。


花火が始まるまではそこで暇を潰そうということで、早めに待ち合わせすることになった。



せっかくの花火大会だし……浴衣を着たいという願望があったので、着てみたのだ。



『誰と行くの?』


『友達!』


『そう。彼氏なのね』


『だから違うって!』



もちろん、ひとりじゃ浴衣着れないのでこうしてお母さんに頼ったわけだが……。



私はもともとは"ぼっち"だったのだ。


それを自ら望んできたし、夏休みもずっと家に引きこもっていた。



そんな私が突然『友達と花火大会に行く』と言うもんだからお母さんはとてもびっくり。



しまいには彼氏とまで発展してしまうから、思わず顔を赤くしてしまった。