私は彼の言葉に頷いた。


お祭りは騒がしいし混んでると思うから、もし離れた時、迷惑かけちゃうんじゃないかなって。


何かあった時は私は耳が聞こえないから、電話だって出来ないし、声に気づくことができない。


そんな私にお祭りなんてとても行けそうにない。



相手に迷惑をかけてしまうと考えてしまうと心苦しいから人が多いところは避けるようにしていた。



『日和は花火に行きたい? 行きたくない?
行ける行けない前にすっぽかして』



悠真くんはズルい。


私が何て答えるか分かってるくせに。



『行きたい』



悠真くんはそれを見て、嬉しそうに顔を綻んだ。



『一緒に思い出作ろ? 花火は綺麗だからきっと楽しめるよ』


『そうだね 本当にありがとう』



思い出……。


それってとても素敵なことだね。