楽しい時間は過ぎるのが早く感じる。


その通りで、宮原くんと友達になってから早くも2ヶ月は過ぎていた。



「みや……悠真くん!」



人気のない中庭。


夏のジメジメした暑さ。



「日和、急がなくてもいいのに」


「そりゃあ、楽しみだったから」


「……っ、早く弁当食べよう」



私たちは名前で呼び合うようになった。


しかし、それはつい最近のことで、私はまだ宮原くんと言いかけてしまう。


対する宮原くんは息を吐くように簡単に名前を呼ぶものだから、女子には慣れてるんだなと思ってしまった。



宮原くんはあれからもずっと優しい。


私の秘密がバレないように、教室では話さないようにしてくれるみたいで。


その代わりに昼休みは中庭で一緒にお弁当食べようと言ってくれたのだ。