太陽に照らされて輝く茶色の髪。
ピアスもいくつか付けていて、制服だってきっちりと着こなす私とは正反対だった。
だけど、大きな二重の焦茶色の瞳に、これでもかというくらい高い鼻、薄い血色のいい唇。
世の中の人100人に聞いたら全員がイケメンだと回答するだろう。
私もこの人はイケメンだと思う。
しかし、彼への第一印象は"チャラそう"だった。
「なあ、なんで無視すんの?」
しばらく彼の顔を見つめていると、笑顔を貼り付けて静かな怒りをぶつけながら口にした。
無視する、ということは何度も名前を呼んでいたということか。
……この類の人は苦手だ。
話さない方がいいと思った私は口を開くこともなく、カバンを持って教室から出ようとした。
が、腕を掴まれ出たくても出られない。