秘密だって守ってくれたし


プリント見せてくれたり


意外にも優しいし……。



「天津さんって表情コロコロ変わって……可愛いよね」



ダメダメ、宮原くんは軽い人だ。


きっと、私を騙すために決まってる。


絶対に友達になんてならないんだから。



……そうだ、だったら今断ればいいんだ。



「宮原くん、さっき友達になってって言ったよね」


「うん、それがどうかした?」


「丁重にお断りさせていただくので」



私はそう言い残して、宮原くんの前をすたすた歩いたのだった。


そうだ、ちょっとした優しさが危ないんだ。



……友達は欲しいけど


あなたとはなりたくない。


そうだ、なりたくないんだよ。



そう自分で言い聞かせている時点で心はどうしたいかなんて、もう既に決まったようなもんだった。




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