周りで友達の輪が成していくところを私はただ横目で見つめていただけだった。
──秘密がバレないようにひとりになった。
要はひとりでいることを自分から望んだのだ。
それなのに私を先生は『友達はできたか?』と嫌味な言葉をかけてくれる。
友達がいなければ、先生に質問する。
その選択もあったが、質問のためにわざわざあんな先生のところへ職員室へ行くのも億劫だった。
……とか色々考えていると、突然
私のではない両手が視界に入ってきた。
……誰だろう?
不思議に思い顔をあげると、そこには仏頂面した男子がいた。
クラスメイトの名前は正直まだ全然覚えられていなくて、だけど見たことがある顔だ。
多分、クラスメイトで間違いないだろう。