「なんでそこまで……」
「そろそろ行かないと、授業が始まっちゃう」
最初何言ってるか分からなかったけど、始まっちゃうという言葉を読み取り、授業のことだと分かった。
私の言葉は聞こえなかったのかな?
でも、確かにそろそろ準備しないと遅刻しちゃうよね。
「次の授業はなんだっけ?」
「保健」
それは戻らなきゃ……!
体育の先生は見た目がもう……怖い。
授業の度、誰かしらに怒鳴っているからすっかり恐怖の対象だ。
声は聞こえないから分からないけど、イカツイ顔がもう……はあ、無理無理。
私がため息吐いていたら、隣が歩くのを止めた。
何事だろうと思いながら見てみると、宮原くんは肩を震わせている。
なんだなんだ……!?



