「宮原くんのプリントも出しに。
せっかく見せてもらったんだし、そのくらい私がしなきゃ」
コミュニケーションを取るのは不安だけど、私のためにプリントを見せてくれた挙句に更に出しに行け、なんて言えるほど私は冷酷じゃない。
『じゃあ俺が出す 天津さん不安でしょ?』
「ダメだよ! それは流石に申し訳ないから!
それに初めてじゃないし、どうにかなるよ!」
私がそう言っても宮原くんは強引に私と彼のプリントを取って、職員室に入ってしまった。
……本当に行っちゃった。
申し訳なさすぎる。
しばらくしたら、宮原くんが職員室から出て私が待っていると思わなかったのか目を見開く。
「先生、天津さんに謝ってたよ。
先生なら事情知ってるんだよね?」
「うん、そりゃあ。ってわざわざ言ってくれたの?」
そんなのわざわざ言わなくても慣れてるし。
気持ちは嬉しいけど……。



