だけど、日和が俺と同じことを望んでるわけがない。
日和のためを考えたら、もう会わないという選択が賢明だ。
帰りの電車に乗って、俺は窓からの景色を眺める。
綺麗だと思えるのは日和と出会ってから。
こんなにも色づいたのは日和がいたから。
日和と出会った日は夕焼けが綺麗だった気がする。
日和と出会う前の俺に言ってやりたい。
大事な人ができたら些細なことでも綺麗だなって思えるから。
お前もそういう奴に出会えるって。
最寄り駅に着いて、電車から降りる。
……日和の家には行けるはずもなかった。
日和の悲しむ顔を見たくないから。
離れてからしか君を想えない。
改札から出て行くと、いつもと変わらない、たくさんの人がそれぞれ行き交う光景を目にする。



