教師といっても具体的には、特別支援学校の先生だ。


日和みたいな、どこか障害を抱えていても懸命に生きる人の支えになりたい。


日和に出会う前の俺はそんなこと考えもしなかったけど、まともな夢を抱けたのも全部日和のおかげだ。


親にもびっくりされちまったからな。



「いや、悠真って恋するとすげーよな。
日和ちゃんいなくなってから成績すっげー上がってたし、国立大学のここを首席で合格とか真面目に驚いたわ」


「さっきから何言ってんだが」



それは事実だ。


少しでも日和を守れるように……そう思って取り組んだのが今まで手に付かなかった勉強だった。


高校１年の時の成績は散々だったから、遅れを取り戻すには結構時間かかったけど、努力が実を結んで本当に良かった。



「……」


「RINE？」


「いや、何でもない」